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エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

カラヴァッジョに影響を与えた画家

----- カラヴァッジョは一群の地方画家(ロンバルディア派)の試みを 様式的価値にまで高めた画家だった -----と言った美術史家ロベルト・ロンギ。 カラヴァッジョはミラノで生まれ、そして13歳頃にシモーネ・ペテルツァーノの 工房へ弟子入りしていますが、…

トレント公会議後の宗教画とカラッチ

カトリック教会は1545年から’63年まで断続的にトレント公会議を 開き、教会の建て直しをはかりました。そして教会における美術作品は 「聖書や由緒正しい聖人伝にもとづくものであるべき」と定め、また 「分かりやすく写実的で、これを見る信徒の心に強く訴…

パルマとコレッジョ

プロシュット(生ハム)で有名なパルマは人口約18万人の町。 この小さな北イタリアの町に16世紀に活躍した画家コレッジョがいます。 彼はサヴォナローラの登場した暗い時代のフィレンツェやティツィアーノの ような巨匠が活躍したヴェネツィアといった大きな…

イタリアの小都市探訪 スポレート

イタリアの小都市はどこもそれぞれに魅力がありますが、 ウンブリア州にあるスポレートもまた忘れがたい町の一つ。 特に細い坂道を上り、ふと開けた広場に佇むように建っている、 午後の光に照らされた大聖堂を見た時の感動は忘れられません。 スポレートは…

絵画の中のファッション

以前ブログでご紹介したブロンズィーノ描くエレオノーラ・ダ・トレドの 肖像画。その時にドレスに使われている美しい布地について少し触れましたが、 今回はその袖からポコポコとはみ出ている、白い布について書きたいと思います。 egotisme.hatenablog.com …

ラファエロ;巨匠からの影響

美術史では、1520年のラファエロの死を以て「ルネサンスの終わり」と し、その後の様式「マニエリスム」へと変化していきます。 そんな一つの重要な区切りを担う画家ラファエロは1483年にウルビーノで 生まれました。 彼の父親も画家であり、また母親は裕福…

ジョルジョーネの色調主義

16世紀、ヴェネツィアを中心とする北イタリアでは、フィレンツェなど 中部イタリアとは違う美術様式が生まれていました。 トスカーナ美術は素描が特徴で、ヴェネツィア美術のそれは彩色と言われます。 北イタリアではやはりレオナルド・ダ・ヴィンチの「スフ…

ミラノの邸宅美術館;ポルディ・ペッツォーリ美術館

ミラノには邸宅美術館と呼ばれる美術館が4軒ほどありますが その中でも一番有名なのがこのポルディ・ペッツォーリ美術館。 中は当主であったジャン・ジャコモが欧州中から蒐集した美術品が 展示されていて、一見の価値あり。 1881年から一般公開されている…

カラヴァッジョの静物画 果物籠 

ミラノのアンブロジアーナ絵画館にあるカラヴァッジョの「果物籠」。 先月、かなり久しぶりに鑑賞する機会に恵まれました。 以前観た時と展示位置や照明が変わったので、今までもっと「黄色い」 イメージがあった作品ですが、薄いクリーム色というか白っぽい…

マザッチョの革新性

フィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ教会の中にある ブランカッチ礼拝堂。ここに描かれたマザッチョの壁画は 「絵画の学校」とも呼ばれ、後のレオナルドも、ラファエロも、 そしてミケランジェロも足しげく通っては模写したと伝えられています。 …

イタリア;2015年 秋の展覧会情報

2015年、芸術の秋にふさわしいイタリア各地で開催される展覧会の 情報をお伝えします。これからクリスマス休暇、年末年始にかけて イタリア旅行を計画されてる方に参考にしていただければと思います。 まず、ミラノで見逃せないのがこちら。 *フランチェス…

パリの邸宅美術館;ジャックマール=アンドレ美術館

邸宅美術館 ----という響きにここ数年、魅せられています。 華麗な邸宅が立ち並ぶパリ8区のオスマン通りにあるジャックマール=アンドレ 美術館はその邸宅美術館の中でもとびきり素敵なものの一つでしょう。 オスマン通り158番地に瀟洒な館ができたのは1875…

マエスタ・荘厳の聖母

ウフィッツィ美術館の第2室に「Maesta'」(イタリア語で荘厳という意味)と 呼ばれる絵画が3枚あります。マエスタとは玉座につき、聖人や天使に囲まれた 聖母子の絵画のことで、いつの時代にも多くの画家が描き続けてきたテーマ。 この第2室では、シエナ派…

イタリアの最も美しい村:スペッロを訪ねて

花の絨毯で有名なスペッロですが、その時期以外に訪れても旅人の目を 楽しませてくれる美しい景色がいっぱいの町。 スペッロはウンブリア州ペルージャ県にある、イタリアで最も美しい村と 名付けられたコムーネの一つ。ドライブの途中、スバシオ山の麓に突如…

イザベッラ・デステのモード

4月16日から7月19日までミラノ王宮博物館で開催されている 「レオナルド1452-1519」展にすでに2回も足を運んでしまいました・・・ 1回目でふと疑問に思ったことがあったので、2回目はちゃんとガイドをお願いして、 色々な説明を伺いながら目を皿にして鑑賞。…

エレオノーラ・ダ・トレドのドレス

フィレンツェのウフィッツィ 美術館を初めて訪れた時、その人や表情などよりも ドレスの模様の素晴らしさに目を奪われて忘れられなくなった絵があります。 ブロンズィーノの「エレオノーラ・ダ・トレドと子息ジョヴァンニ」です。 1545年に描かれました。 メ…

瞑想の聖フランチェスコ:カラヴァッジョ

4月1日から19日までモンツァ王宮にて、カラヴァッジョの1605年頃の作品、 「瞑想の聖フランチェスコ」が無料公開!ということで、見に行ってきました。 こうした1点だけの展示だと、その作品だけに集中できるので、隅々まで 作品を堪能できる気がします。 …

イタリア:2015年 春の展覧会情報

今回は少しブログの趣向を変えて、2015年春に開催される大型展覧会の情報を お伝えしたいと思います。 *ジョヴァンニ・ボルディーニ : Lo Spettacolo della Modernita' http://www.mostrefondazioneforli.it/ フォルリのサン・ドメニコ博物館で2月1日から6…

モディリアーニとジャンヌの破滅的愛

モディリアーニの絵には、どことなく不思議な感じと、単純な構図なのに ひと目見た瞬間なぜか忘れられなくなるような強烈さを併せ持っているように 思えます。よく知られているように彼の作品はアフリカなどの原始美術の影響と 中世のシエナ派など、イタリア…

接吻:フランチェスコ・アイエツ

縦112cm、横88cmというそれほど大きくない画面なのに、 ひと目で忘れられなくなる絵画があります。 その絵の前に立つと、なんとも言えない切ない気持ちになり、 どことなく哀愁漂う物語をつい心の中で思い描いてしまうのです。 これこそまさに19世紀の感受性…

セガンティーニ:彼が愛したアルプス

「セガンティーニ:ミラノへの帰還」展という大規模な回顧展。 印象派や点描主義とも少し違う、セガンティーニ独自の ディヴィジオニスムに惹かれ、見に行きました。 ミラノ王宮博物館(Palazzo Reale)で来年1月18日まで開催中です。 アルプス高地の風景画…

ジョット:イノケンティウス三世の夢

アッシジの聖フランチェスコ聖堂にある有名なジョット派のフレスコ画。 そこには「聖フランチェスコ伝」が時計回りに28場面描かれています。 (どれが直接ジョットの手によるのか分からないですが、最後の6場面は 彼の弟子の筆だそうです) この中で大変興味…

今年のクリスマスはラファエロと

毎年この時期になると世界中の美術館からX'masプレゼントとして 名画(イタリア人芸術家がメイン)がミラノ市庁舎へやってきます。 ミラノ市の粋な計らいだと思って、毎年楽しみにしている私。 今年は1508年、ラファエロ25歳の時に描かれた 「エステルハージ…

ベル・エポックな画家ボルディーニ

来年2015年1月18日までミラノで開催中の「イタリアのパリジャン: ジョヴァンニ・ボルディーニ」展で、彼の優美な筆致に何度も魅了された私は 数年前に彼の生地フェラーラに行った事をふと思い出しました。 フェラーラといえば、ルネサンス期のイザベラ・デ…

モーセの試練 :ボッティチェッリ

システィーナ礼拝堂にある約3m50cm × 5m60cmという大きな壁画、 「モーセの試練」は教皇シクストゥス4世から注文を受け、 1481年頃ボッティチェッリによって描かれました。 ミケランジェロの「最後の審判」に圧倒されて、見逃してしまいそうですが、 これだ…

受胎告知:レオナルド・ダ・ヴィンチ

1867年から現在にいたるまでウフィッツィ美術館に展示されている レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」 その前までこの絵はフィレンツェ郊外のサン・バルトロメオ・ディ・ モンテオリヴェート聖堂にありました。 おそらく当時の巡礼者がこの絵画を見ると…

ラファエロ:聖母の結婚

現在ミラノのブレラ絵画館にあるラファエロの「聖母の結婚」は 1504年、ペルージャ近郊チッタ・ディ・カステッロにある サン・フランチェスコ聖堂サン・ジュゼッペ礼拝堂のための祭壇画として 制作されました。その時ラファエロは21歳でした。 (ちなみにこ…

マンテーニャのパルナッソスとイザベッラ・デステ

ルネサンスの女傑イザベッラ・デステの書斎 (ドゥカーレ宮殿奥のサン・ジョルジョ城)に飾っていたと言われる マンテーニャ作「パルナッソス」(マルスとヴィーナス:1497年)は 現在パリのルーヴル美術館に展示されています。 この絵をはじめ、イザベッラ…

忘れられた画家:カルロ・クリヴェッリ

忘れられた芸術家とかいう形容を聞くと、逆に興味が沸いてくるのですが、 先日ブレラ絵画館にマンテーニャを鑑賞しに行った際、彼と同時代で、しかも おそらく彼と同じくフランチェスコ・スクァルチョーネの弟子だったこともある ヴェネツィア人カルロ・クリ…

スタンダールとヘロディアス

ミラノの王宮博物館(パラッツォ・レアーレ)で7月13日まで開催中の 「ベルナルディーノ・ルイーニとその息子たち」展を観てきました。 ベルナルディーノ・ルイーニというと、レオナルド派の画家として 知られていますが、今回展覧会で色々と彼の作品を鑑賞…

アルテミジア・ジェンティレスキ

16世紀から17世紀にかけては個性的な女性の芸術家が美術史とよばれるものに誕生した初めての時代。その先駆者かつ圧倒的な存在感のあるアルテミジア・ジェンティレスキ。日本でも3〜4年ほど前に展覧会があったので、ご覧になった方も多いのではないでしょう…

ベアトリーチェ・チェンチ

ローマのバルベリーニ宮にあるグイド・レーニの 「ベアトリーチェ・チェンチ」肖像画。美術館のサイトには1600年頃の作品であると書かれてあります。 ベアトリーチェは1599年5月11日、性的虐待の限りを尽くした (と言われている)父親を殺したという重い罪…

四方山話:ボッティチェッリ

彼はボッティチェッリの名前で知られていますが、実は「あだ名」なんです。本名はAlessandro di Mariano di Vanni Filipepiという長ったらしい名前。(アレッサンドロ・ディ・マリアーノ・ディ・ヴァンニ・フィリペーピ)ではボッティチェッリとはどういう意…

エマオの晩餐 カラヴァッジョ

カラヴァッジョの作品の特徴はその「瞬間」を劇的な光と影で表現しているところだと思いますが、その中でも有名な作品「エマオの晩餐」はカラヴァッジョの思想も随所にうかがえるような感じがして好きです。キリストの弟子の2人がエマオ近くを語りながら歩…

マンテーニャ「死せるキリスト」:新たな展示方法

久々にミラノ・ブレラ絵画館へ行ってきました。去年の12月にブレラ絵画館の目玉であり、15世紀の北イタリア・初期ルネサンスに おける巨匠マンテーニャの「死せるキリスト」の展示方法が変わったのが、 少々話題になっていたからです(賛否両論でしょうけど…