エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

『パルムの僧院』の舞台を訪ねて

ミラノから南に約30kmのローディという人口4万人ほどの古い町へ散歩がてら出かけました。あの赤髭王フリードリヒ1世によって築かれた町として有名です。 ローディといえば、スタンダールの『パルムの僧院』の書き出しが印象的。何を隠そう、この小説を読んで…

エレオノーラ・ダ・トレドのドレス

フィレンツェのウフィッツィ 美術館を初めて訪れた時、その人や表情などよりも ドレスの模様の素晴らしさに目を奪われて忘れられなくなった絵があります。 ブロンズィーノの「エレオノーラ・ダ・トレドと子息ジョヴァンニ」です。 1545年に描かれました。 メ…

瞑想の聖フランチェスコ:カラヴァッジョ

4月1日から19日までモンツァ王宮にて、カラヴァッジョの1605年頃の作品、 「瞑想の聖フランチェスコ」が無料公開!ということで、見に行ってきました。 こうした1点だけの展示だと、その作品だけに集中できるので、隅々まで 作品を堪能できる気がします。 …

イタリア:2015年 春の展覧会情報

今回は少しブログの趣向を変えて、2015年春に開催される大型展覧会の情報を お伝えしたいと思います。 *ジョヴァンニ・ボルディーニ : Lo Spettacolo della Modernita' http://www.mostrefondazioneforli.it/ フォルリのサン・ドメニコ博物館で2月1日から6…

イタリア女性の40年間の歩みとフランカ・ヴィオラ

3月8日は国際女性Dayでした。 イタリアでは男性から女性へ、女性同士でミモザの花を贈り合うという 習慣があり、街中の花屋が一瞬鮮やかな黄色に染まり、春の訪れとともに 少々ワクワクする日でもありますが、同時に現代も減らない女性への 暴力や差別につい…

中世都市ベルガモを歩く

フランスの文豪スタンダールは1801年、日記に「ミラノからベルガモへの街道は 素晴らしく、世界でもっとも美しい地方のなかを通っている」と書いています。 ロンバルディア平原に広がる田園風景と、遠くに雪を抱いたアルプス山脈を車窓から ぼんやり眺めなが…

モディリアーニとジャンヌの破滅的愛

モディリアーニの絵には、どことなく不思議な感じと、単純な構図なのに ひと目見た瞬間なぜか忘れられなくなるような強烈さを併せ持っているように 思えます。よく知られているように彼の作品はアフリカなどの原始美術の影響と 中世のシエナ派など、イタリア…

接吻:フランチェスコ・アイエツ

縦112cm、横88cmというそれほど大きくない画面なのに、 ひと目で忘れられなくなる絵画があります。 その絵の前に立つと、なんとも言えない切ない気持ちになり、 どことなく哀愁漂う物語をつい心の中で思い描いてしまうのです。 これこそまさに19世紀の感受性…

ミラノのBoudoir/ブドワール

ミラノに関する絵画や彫刻、当時の調度品を展示したりする博物館として 開館している「ミラノ・モーダ博物館」は2010年に修復が終了しました。 この修復によって、サンタンドレア通りの正面の壁にフレスコ画が 描かれていたのを発見したのだそうで、なるほど…

イタリア初の王妃マルゲリータ

イタリアが1861年に統一されて、初のイタリア王妃になった マルゲリータ・マリア・テレーザ・ジョヴァンナ・ディ・サヴォイア。 イタリア国王第1号はヴィットリオ・エマヌエーレ2世なのですが、彼の妻マリーア・アデライデは1855年に産褥死したためにイタリ…

ヴィチェンツァと天正少年使節団

建築にあまり興味のない方でも、ヴィチェンツァでルネサンス建築家 パッラーディオが手がけた美しい建物をご覧になれば、きっと心を 動かされるはず・・・ そういえば年末年始に若桑みどり著『クワトロ・ラガッツィ』を再読、 再び天正少年使節への興味がふ…

セガンティーニ:彼が愛したアルプス

「セガンティーニ:ミラノへの帰還」展という大規模な回顧展。 印象派や点描主義とも少し違う、セガンティーニ独自の ディヴィジオニスムに惹かれ、見に行きました。 ミラノ王宮博物館(Palazzo Reale)で来年1月18日まで開催中です。 アルプス高地の風景画…

ジョット:イノケンティウス三世の夢

アッシジの聖フランチェスコ聖堂にある有名なジョット派のフレスコ画。 そこには「聖フランチェスコ伝」が時計回りに28場面描かれています。 (どれが直接ジョットの手によるのか分からないですが、最後の6場面は 彼の弟子の筆だそうです) この中で大変興味…

今年のクリスマスはラファエロと

毎年この時期になると世界中の美術館からX'masプレゼントとして 名画(イタリア人芸術家がメイン)がミラノ市庁舎へやってきます。 ミラノ市の粋な計らいだと思って、毎年楽しみにしている私。 今年は1508年、ラファエロ25歳の時に描かれた 「エステルハージ…

ベル・エポックな画家ボルディーニ

来年2015年1月18日までミラノで開催中の「イタリアのパリジャン: ジョヴァンニ・ボルディーニ」展で、彼の優美な筆致に何度も魅了された私は 数年前に彼の生地フェラーラに行った事をふと思い出しました。 フェラーラといえば、ルネサンス期のイザベラ・デ…

サド侯爵とラコスト城

長い間「積ん読」していたサドの『美徳の不幸』を少し前に やっと読みました。 性を束縛し、それに従う事こそがカトリックの自然法則だとされる時代に (現代も基本はそうでしょうけど)愛欲・快楽を追求したサド侯爵が、 バスティーユ監獄内で2週間で書き…

スタンダール慕情

パリでは歴史散策をするのが好きです。 今回はl'église de l'Assomption de Parisに立ち寄りました。 ここは1842年3月24日、スタンダールの葬儀がおこなわれた教会で、 華やかな雰囲気のサントノレ通りに面し、ひっそりと隠れたように 佇む小さな教会との対…

ショパンとジョルジュ・サンド縁のMusée

パリ9区、モンマルトルの喧噪からほど近くに 「ロマン主義博物館」というのがひっそりと佇んでいます。 この小さな館はオランダ生まれパリ在の画家 アリ・シェフェールが1830年頃から アトリエ兼住居として 使っていたもので、当時ロマン主義が花盛りだった…

モーセの試練 :ボッティチェッリ

システィーナ礼拝堂にある約3m50cm × 5m60cmという大きな壁画、 「モーセの試練」は教皇シクストゥス4世から注文を受け、 1481年頃ボッティチェッリによって描かれました。 ミケランジェロの「最後の審判」に圧倒されて、見逃してしまいそうですが、 これだ…

受胎告知:レオナルド・ダ・ヴィンチ

1867年から現在にいたるまでウフィッツィ美術館に展示されている レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」 その前までこの絵はフィレンツェ郊外のサン・バルトロメオ・ディ・ モンテオリヴェート聖堂にありました。 おそらく当時の巡礼者がこの絵画を見ると…

ラファエロ:聖母の結婚

現在ミラノのブレラ絵画館にあるラファエロの「聖母の結婚」は 1504年、ペルージャ近郊チッタ・ディ・カステッロにある サン・フランチェスコ聖堂サン・ジュゼッペ礼拝堂のための祭壇画として 制作されました。その時ラファエロは21歳でした。 (ちなみにこ…

マンテーニャのパルナッソスとイザベッラ・デステ

ルネサンスの女傑イザベッラ・デステの書斎 (ドゥカーレ宮殿奥のサン・ジョルジョ城)に飾っていたと言われる マンテーニャ作「パルナッソス」(マルスとヴィーナス:1497年)は 現在パリのルーヴル美術館に展示されています。 この絵をはじめ、イザベッラ…

忘れられた画家:カルロ・クリヴェッリ

忘れられた芸術家とかいう形容を聞くと、逆に興味が沸いてくるのですが、 先日ブレラ絵画館にマンテーニャを鑑賞しに行った際、彼と同時代で、しかも おそらく彼と同じくフランチェスコ・スクァルチョーネの弟子だったこともある ヴェネツィア人カルロ・クリ…

ポポロ広場

4月に5年ぶりにローマへ行った際、Italoに乗ってティブルティーナ駅に到着。 それからすぐにポポロ広場まで行って、ポポロ門を「くぐって」ローマへ 来た実感を新たにしていました。 なぜそんな事をしたかというと、19世紀末までローマを陸路で訪れる旅行者…

スタンダールとヘロディアス

ミラノの王宮博物館(パラッツォ・レアーレ)で7月13日まで開催中の 「ベルナルディーノ・ルイーニとその息子たち」展を観てきました。 ベルナルディーノ・ルイーニというと、レオナルド派の画家として 知られていますが、今回展覧会で色々と彼の作品を鑑賞…

コモ湖畔のマエストロたち

先日陽気なお天気に誘われてコモ湖畔へ散策に行った際、ふとコモのアッボンディオ聖堂を見たくなって立ち寄ってみました。というのも、以前美術史の講座でキアラ先生とお話している時に「マエストリ・コマチーニ」の話で、アッボンディオ聖堂の話題になった…

アルテミジア・ジェンティレスキ

16世紀から17世紀にかけては個性的な女性の芸術家が美術史とよばれるものに誕生した初めての時代。その先駆者かつ圧倒的な存在感のあるアルテミジア・ジェンティレスキ。日本でも3〜4年ほど前に展覧会があったので、ご覧になった方も多いのではないでしょう…

ベアトリーチェ・チェンチ

ローマのバルベリーニ宮にあるグイド・レーニの 「ベアトリーチェ・チェンチ」肖像画。美術館のサイトには1600年頃の作品であると書かれてあります。 ベアトリーチェは1599年5月11日、性的虐待の限りを尽くした (と言われている)父親を殺したという重い罪…

ルッカのサン・フレディアーノ聖堂

4月にルッカへ立ち寄った際、前回は通り過ぎてしまったけれどとても気になるファサードの教会へ、今回は一目散に駆けつけました。オモニマ広場にあるバジリカ、サン・フレディアーノ聖堂です。トスカーナ州のロマネスク建築といえば、白い大理石が太陽を浴び…

四方山話:ボッティチェッリ

彼はボッティチェッリの名前で知られていますが、実は「あだ名」なんです。本名はAlessandro di Mariano di Vanni Filipepiという長ったらしい名前。(アレッサンドロ・ディ・マリアーノ・ディ・ヴァンニ・フィリペーピ)ではボッティチェッリとはどういう意…