エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

コモ湖畔のマエストロたち

先日陽気なお天気に誘われてコモ湖畔へ散策に行った際、
ふとコモのアッボンディオ聖堂を見たくなって立ち寄ってみました。
というのも、以前美術史の講座でキアラ先生とお話している時に
「マエストリ・コマチーニ」の話で、アッボンディオ聖堂の話題になったので
一度見てみたかったのです。

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マエストリ・コマチーニとは現スイスのティチーノ州やロンバルディアのコモ地方に
みられた石工職人の団体のことで、はじめて文献に出てきたのはなんと643年。
9世紀頃になると、仕事の場を広げアルプスを越えてドイツやデンマーク辺りまで、
イタリア国内ならラツィオ州やウンブリア、マルケ州辺りにも出張し
各地で当時最高の技術を駆使して教会建築にたずさわっていたようです。
11世紀頃にはすでに親方,職人,徒弟制度といったギルド的な組織をもち,
教会建築に従事していました。

 

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ロマネスクの特徴として、その土地ごと、その土地の材料ごとに
色々な様式というか、ヴァリエーションがあったりして、それが
興味深い点でもあるわけですが、こうした石工集団はアルプスの向こう側で
見聞した、その土地ならではの模様などを今度はイタリア内で
取り入れたりして、それがまたロンバルディア様式の特徴になっていったり。
面白いですよね。例えば、こうした植物の模様は北ヨーロッパの影響
を受けていると言われています。↓

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この11世紀のアッボンディオ聖堂、マエストリ・コマチーニの最高の仕事と
言われるほどで、素朴ながら丁寧な彼らの仕事を垣間見ることができます。
また鐘楼が2つというロマネスクというより後のゴシックの到来を彷彿とさせる
感じも見受けられる、なかなか興味深い聖堂なのです。

 

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中は五廊式で、全体的にどっしりとして静かな感じを受けますが、
目に飛び込んでくる(修復されて美しい色彩の)半円の後陣の14世紀後半の
フレスコ画が唯一の装飾という感じです。

この柱頭が方円柱頭で、イタリア語でCubo Scantonatoというのですが
これは「修道院」に使用される場合がほとんどだそうです。
なるほど、中世にはアッボンディオ聖堂の横には修道院があったようですが
現在はインスブリア大学法学部の校舎になっていて、残念ながら
敷地内に入ることは出来ませんでした。


 


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