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エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

マンテーニャのパルナッソスとイザベッラ・デステ

ルネサンスの女傑イザベッラ・デステの書斎

(ドゥカーレ宮殿奥のサン・ジョルジョ城)に飾っていたと言われる

マンテーニャ作「パルナッソス」(マルスとヴィーナス:1497年)は

現在パリのルーヴル美術館に展示されています。

この絵をはじめ、イザベッラ・デステの書斎にあった絵画は1627年頃、

パリのリシュリュー枢機卿に寄贈されたようで、その後フランス革命を経て

ルーヴル美術館に展示されるようになったのだとか。

 

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この絵はマンテーニャがイザベッラと夫フランチェスコ・ゴンザーガの

結婚を祝って描いたと言われています。

中央の小高い丘の上にマルスとヴィーナスが寄り添って描かれていて、

もちろんこの二人はフランチェスコとイザベッラを表しているのでしょう。

この小高い丘は凱旋門を暗示し、二人は愛の勝利に酔っているかのようです。

二人の後ろにはゴンザーガ家を象徴する色の寝台まで置かれています。

 

画面左下で竪琴を奏でるアポロン、右手にペガサスと神々の使者で名声を

表すと言われるヘルメスがいます。

岩山の下ではムーサたちが踊っていますが、彼女たちの動きと呼応する

ドレスの揺れが、この絵に躍動感を与えているようです。

 

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右側のムーサ二人をよく見ると・・・手の指の動きが変です!!

これは・・・たぶん性的な意味の描写なんでしょうね。

 

ルネサンス期の祝婚画では、美男美女のマルスとヴィーナスが花婿・花嫁を

象徴するものとして描かれているパターンがとても多いのです。

 

が、しかしよく考えると、このギリシャ神話「マルスとヴィーナス」って

「不倫」のお話なんですよね・・・結婚のお祝いには一番ふさわしくない

主題だと思うのですが(笑)

 

ちなみにこの絵の中に、ヴィーナスの夫である火と火山の神ヘパイストスが

岩山の上で威嚇するようなポーズで描かれています。

画面下にも目をこらすと、小さなウサギの姿まで見えます。

 

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ウザギはその繁殖力の強さから「性愛」を表現する絵画によく描かれます。

また「多産」や「豊穣」の意味もあります。

 

フランチェスコとイザベッラの結婚は、当初お互いを尊敬し合う理想の夫婦の

ように思いますが、その後ルネサンスの美女ルクレツィア・ボルジアが現れ、

夫フランチェスコとの不倫が発覚。

さすがの女傑イザベッラも、この不倫には苦しみ続けたそうです。

 

マンテーニャの描いた作品は、イザベッラの嗜好との違いで

気に入らなかったと言われていますが、当時最高の画家と言われた彼の

「パルナッソス」はイザベッラの書斎を飾り続けていました。

夫の裏切りを知りながら、どんな気持ちで眺めていたのでしょうか。

 

参考文献:『名画の秘めごと 』有地京子著  角川マガジンズ

     『西洋美術解読事典』J.ホール著 河出書房新社 

     http://guideturistichemantova.it/camerini-di-isabella-deste/

 


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