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エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

今年のクリスマスはラファエロと

イタリア絵画 ミラノ・ロンバルディア ラファエロ ルネサンス

毎年この時期になると世界中の美術館からX'masプレゼントとして

名画(イタリア人芸術家がメイン)がミラノ市庁舎へやってきます。

ミラノ市の粋な計らいだと思って、毎年楽しみにしている私。

今年は1508年、ラファエロ25歳の時に描かれた

「エステルハージの聖母」がブタペストから到着しました。

 

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この作品が描かれた理由は不明(つまり個人的に要請を受けて

描かれたのかもしれません)なのですが、専門家によると

ラファエロのフィレンツェ時代の痕跡がある作風なのだそうです。

 

そして時のローマ教皇ユリウス2世からローマへ招かれて、あの

ヴァチカンでの大作に挑んでいくわけですが、この「聖母子」は

彼が大切にフィレンツェからローマへ持って行き、そこで背景の「廃墟」が

追加されたと言われています(フォロ・ロマーノでしょうね)

この絵は、ヨーロッパに「風景画」というジャンルがまだキチンと

確立していなかった頃の絵画としては、非常に細かな風景描写に

なっており、ルネサンス時代の「風景画」の幕開けのような役割を

果たしているのです。

ただ残念なことに、おそらく「未完」だとか。

ラファエロらしい優美な聖母子になっていますが、最終的な仕上げに

至っていないとの見方が強いです。

 

この「エステルハージの聖母」はその後教皇クレメンス11世の手から

エリーザベト・クリスティーネ・フォン・ブランシュヴァイク=

ヴォルフェンビュッテル(長い名前!マリア・テレジアの母です)へ

献上されました。

その後、約100年間ほど行方の分からないこの作品は、19世紀に

ハンガリーの名門貴族エステルハージ家が購入しています。

そこから名前をとって、作品は今も「エステルハージの聖母」と

呼ばれます。

 

1983年11月5日の夜中、何者かがブダペスト国立西洋美術館に侵入し

ラファエロのこの作品をはじめ、数点を奪って逃走。

不思議なことにギリシャの寂れた修道院内で発見されました。

1枚の絵画にも、色々な歴史があるのですね。

 

さて、この素敵なプレゼントをさっそく享受しましょうと

いそいそと出かけると、あぁ、今年もやっぱり長蛇の列・・・

 

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普段はちゃんと列をなして並べないイタリア人たちが、一応

正しく(?)並んでいる姿に少し感動を覚えますが、寒空の下、

今年は一体どれほど並べばラファエロに会えるのでしょう。

来年1月11日までミラノ市庁舎で無料公開中です。

 


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