読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

ジョット:イノケンティウス三世の夢

アッシジの聖フランチェスコ聖堂にある有名なジョット派のフレスコ画。

そこには「聖フランチェスコ伝」が時計回りに28場面描かれています。

(どれが直接ジョットの手によるのか分からないですが、最後の6場面は

彼の弟子の筆だそうです)

この中で大変興味深い「イノケンティウス三世の夢」を見てみたいと

思います。

 

f:id:egotisme:20141213002141j:plain

 

右側で眠っているのが教皇イノケンティウス三世、そして左側に

教皇が見ている「夢」が描かれています。

サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂が今にも崩壊しようと

していますが、そこへ強い意思を持った瞳の、一人の貧しい修道士が、

倒れないように大聖堂を支えています。

 

f:id:egotisme:20141213002544j:plain

 

この修道士がフランチェスコなのですが、これは彼が「カトリックの

精神的支柱になる」ことを示唆した象徴的な場面でもあります。

ジョットはこの聖堂を斜めに描くことで、それが夢であることを

表現しようとしたのでしょうか。

 

ジョットの革新は、まさにこの「人間的な感情世界の表現」です。

人間の様々な姿(ここでは眠る教皇や支えるフランチェスコなど)や、

また真横を向いた人物、地面に座る人物などが描かれていますが、

それ以前のビザンチン的形式の絵画表現とは全く違う「人間」を

描いているのです。

この点こそジョットが「西洋絵画の父」と呼ばれる所以でしょう。

 

そう思って「聖フランチェスコ伝」を眺めると、色々な人物が本当に

色々な姿で描かれていて人間らしく、ますます親しみを感じますね。

また建物も空間を作り出すように表現されているのも分かります。

 

ではなぜカトリックの精神的支柱が、サン・ピエトロ大聖堂ではなくて、

サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂なのでしょう?

 

f:id:egotisme:20141213002944j:plain

 

これはコンスタンティヌス帝がローマに凱旋してから、南仏の

アヴィニョンに教皇庁が移されるまでの1000年間、中世ローマの、

そしてカトリック世界の中心は、このラテラーノ聖堂にあったからです。

 ちなみにこの聖堂を飾るコズマーティ様式(12~14世紀に

コズマーティ家が確立したスタイルで、このモザイクの中には

古代遺跡から持ち込まれた大理石も含まれています!)が、

「聖フランチェスコ伝」のラテラーノ聖堂にも描かれています。

 

f:id:egotisme:20141213004058j:plain

 

余談ですが、このラテラーノ大聖堂の広場にあるオベリスクはローマに

数あるオベリスクの中で一番古く、また45m70と一番高いものです。

 

f:id:egotisme:20141213005239j:plain

 

ラテラーノ聖堂については四方山話 にも書いてますので、ご覧になってください。

 


人気ブログランキングへ