エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

ミラノの邸宅美術館;ポルディ・ペッツォーリ美術館

ミラノには邸宅美術館と呼ばれる美術館が4軒ほどありますが

その中でも一番有名なのがこのポルディ・ペッツォーリ美術館。

中は当主であったジャン・ジャコモが欧州中から蒐集した美術品が

展示されていて、一見の価値あり。

1881年から一般公開されている古い美術館です。

 

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ミラノの名門貴族トリヴルツィオ家のローザと
19世紀当時オーストリア政府への最大の納税者として有名だった
ポルディ・ペッツォーリ家ジュゼッペの息子として
ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリは1822年7月27日に

生を受けました。

 

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早くに父を亡くしたジャン・ジャコモへの教育は芸術に造詣の
深かった母ローザが献身的に教授したようです。
そしてそれまでのトリヴルツィオ家所蔵の芸術品、様々な手稿、
工芸品にも彼は幼い頃から囲まれて暮らしていました。

審美眼はそうして培われていったのでしょうね。

1846年24歳になったジャン・ジャコモは当時の貴族の子息が

するようにヨーロッパ中を旅します。その土地、土地であらゆる

芸術を見聞し、そして自らも蒐集を始めるようになりました。

ボッティチェッリやピエロ・デッラ・フランチェスカ、ポッライオーロ、

マンテーニャなどのイタリア人画家の作品を次々に蒐集していきます。

 

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こちらはジャン・ジャコモが蒐集したボッティチェッリの

「書物の聖母」で、このブログでご紹介しています。

 

egotisme.hatenablog.com

 

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そしてヴェネツィア派の代表ジョヴァンニ・ベッリーニの

「ピエタ」、背景に風景が描きこまれています。

 

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ピエロ・デル・ポッライオーロの「貴婦人の肖像」は

古典的なプロフィールの美しい作品。

髪の毛一本、一本まで丁寧に描かれているのが印象的。

 

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マンテーニャの「聖母子像」はビザンチンの影響が遠ざかり、

聖母もキリストも本当の人間に近づいています。

何より、この絵はキリストの愛おしい表情に釘づけです・・・

 

ちょうどその当時、ロンドンやパリなどの大都市では

「蒐集した貴重な美術品を邸宅に飾り、まるで美術館のように

公開する」ということが流行していたようですね。

このブログでもご紹介したパリの邸宅美術館もそうしたものの

一つだと思います。

egotisme.hatenablog.com


そこでジャン・ジャコモもこれに続けとばかりに、ミラノへ戻ってきてから
1849年にポルディ・ペッツォーリ家を友人たちに公開しました。

 

階段や寝室はバロック様式に、「黒いサロン」と名付けられた部屋は
ルネサンス初期の様式に、書斎は14世紀をイメージ、そして武器や武具の
部屋はかなり広いスペースを用意する・・・などなど様々な様式を

折衷し、イタリア中、ヨーロッパ中から集めた彼のお目がねに叶った

美術品が飾られました。
招待された芸術家や友人たちは賞賛の声を惜しまなかったと言います。

 

1879年ジャン・ジャコモは57年の生涯を閉じました。

 

その後この美術館は第2次世界大戦中,連合軍による
ミラノ爆撃によって天井、壁、美しい天窓、備え付けの素晴らしい
調度品などが破損するという被害を被ります。
戦争が始まったときに絵画や工芸品(持ち運びできるものは全て)は
別の場所に非難させておいて無事だったのが、不幸中の幸いでしょう。

 

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これら爆撃前に撮ってあった写真などを参考に、戦後それこそ気が

遠くなるような修復・復元作業を続けてポルディ・ペッツォーリ美術館は
1951年、再びよみがえります。


そして現在も当時の面影が少し残る中、ジャン・ジャコモが財の限りを

尽くして蒐集した美しい美術品が一緒に楽しめる美術館として

一般公開されています。

 


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