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エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

レオナルド・ダ・ヴィンチ 終焉の地

ルネサンス レオナルド・ダ・ヴィンチ フランス

この夏はイタリアからモン・スニ峠を越え、約900kmの車の旅をしました。

行先はレオナルド・ダ・ヴィンチ終焉の地アンボワーズと彼が

人生の最後の3年間を過ごしたクロ・リュセ館です。

今年2016年はレオナルドが渡仏してからちょうど500年後にあたります。

 

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このクロ・リュセ館は1471年に建設され、ロワールの支流である

アマス川流域の田園地帯にあって、城館は広大な森林に囲まれています。

レオナルドをフランスまで呼び寄せたフランソワ1世の居城アンボワーズ城から

400メートルほど離れて建っています。

ここでレオナルドは1516年から1519年5月2日に逝去するまでの約3年間を

過ごしました。

 

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館の脇にある古い塔に上り、この回廊を渡って内部を見学します。

この赤レンガの回廊がイタリアっぽい感じがして、ここをレオナルドも

通り、この同じ景色を見ていたのかと思うと胸がドキドキしてきます。

 

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緑豊かで広大なお庭が広がっていて、本当に清々しい感じです。

フィレンツェなどの都市部ではこれだけ緑に囲まれることはないので、

レオナルドにとっては非常に喜ばしい環境なのではないかと思いました。

 

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この寝室でレオナルドは生涯最後の3年間を過ごしました。

ここで遺言も書いたと言われており、1519年5月2日に教会の秘跡を

受けた後、67歳で亡くなりました。

 

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ベッドの脇にアングルが描いた「レオナルド・ダ・ヴィンチの死」の複製が

飾られていました。レオナルドが亡くなった時、フランソワ1世がここにいたと

いう史実はないそうで(その時アンボワーズにいなかったと伝えられています)

この絵は19世紀の画家アングルの想像なのですが、レオナルドを非常に

慕っていたフランソワ1世の想いが伝わってくるような絵画だと思います。

 

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また寝室から見えるアンボワーズ城の、この眺めをレオナルドはとても

気に入っていたのだとか。この風景のデッサンなども残されているようです。

 

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聖カテリーナの肖像画が展示ケースの中にありました。これはレオナルドの

弟子ベルナルディーノ・ルイーニの作品です。この目の伏せ具合、口元の

描き方、レオナルドの影響を受けているのがハッキリと分かります。

その他、ルネサンス期に使われた日常品の展示。こういうコップやお皿で

レオナルドも食事していたのでしょう。

 

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寝室の横には、レオナルドが建築家、エンジニアとして多くのアイデアを生み出し、

したためていたアトリエが再現されていました。フランソワ1世のために発明した

道具やデザインの数々はこの部屋から生み出されたのでしょう。

何より印象的なのが、大きな窓から燦々と差し込む日の光。

ルネサンス期の館で、これほど光が溢れて明るい部屋を見た事がないので、

この館で静かな余生を過ごしたレオナルドは非常に幸福だったのではないかと

感じました。

もちろんイタリアを離れて淋しいと思う気持ちはあったでしょうけれど。

 

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当時の厨房も残されていました。レオナルドは弟子のほかに、専属の

料理人までイタリアから連れてきていたようです。彼女の名前はマトゥリーナ。

マトゥリーナはレオナルドにどんな料理をここで作っていたのでしょうか。

彼は菜食主義者だったらしいので、この大きな暖炉で猟肉を料理する際は

何か宴会などの時だけだったかもしれませんね。

 

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お庭側から見たクロ・リュセ館。赤レンガと石灰岩の組み合わせが印象的。

 

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ここはまたお庭が素晴らしかったです。手入れもよくされていて、

本当に気持ちの良い空間が広がっていました。

何より感動的だったのは知恵の樹の下にベンチが設けられていて、

その前にあるオーディオ(4ヶ国語に対応)のボタンを押すと

レオナルドが弟子たちに語りかけた考察が辺り一面に響き渡るのです!

ベンチに座りながらそれを聞いていると、すぐそこにレオナルドが

弟子を連れて散歩しているかのような錯覚に陥り、そしてウットリしてしまいました。

フランス人というのはこうした演出が、なんて上手な人たちなのでしょうか。

 

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この森の散歩道はレオナルドに画法へのインスピレーションをも

与えたに違いありません。こうした半透明のカンバスに描かれた彼の絵を

が光と影に彩られているのを見ると、

 

-理解するための最良の手段は、自然の無限の作品を鑑賞することだー

 

と言ったレオナルドの気持ちが少し分かるような気がしました。

 


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