エゴチスムな日々

イタリアの閑暇そしてその悦楽

ボッティチェッリ 書物の聖母 

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ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館で初めて「書物の聖母」を見たとき、
その美しく優雅な曲線とAureolaと呼ばれる黄金に輝く輪光の繊細さに
目を奪われました。
「線の詩人」と言われたサンドロ・ボッティチェッリの円熟期、
ちょうど1480年頃の作品です。

また聖母マリアの柔らかな体を包みながら鮮やかに発色する青。
古代より珍重されていたラピスラズリを精製して得られる色ですが、
当時ラピスラズリは金に匹敵するほどの価値があり、
遠くアフガニスタンからやってきた大変高価なものでした。

聖母は祈禱書をめくりながら、時折ふとイエスの顔を優しく眺めます。
部屋の中は祈りの場というより、もっと家庭的な雰囲気さえうかがえます。
マヨリカ焼きの器には様々な果物が盛られていますが、

それぞれに意味があると言われています。

 

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さくらんぼはキリストの血をほのめかすもの。
プラムは聖母子の愛情を表し、イチジクは復活を意味しているのだそうです。
また聖母のなだらかな肩から腕にかけて金刺繍がほどこされていますが
ベツレヘムの星、そして3つの釘型は十字架(のキリスト)の表象なのだとか。

初期ルネサンスの典型とも言え、時の権力者メディチ家から高い評価を得ていた
ボッティチェッリの、優雅で静かな聖母子です。

参考:ポルディ・ペッツォーリ美術館ホームページ

http://www.museopoldipezzoli.it/#!/it/scopri/collezioni/




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